土庄町域学連携交流事業

更新日:2023年11月27日

土庄町域学連携交流事業とは?

土庄町域学連携交流事業の目的

土庄町域学連携交流事業とは、土庄町と地域連携活動を積極的に展開している大学が連携して、小豆島・豊島の魅力や地域資源を掘り起こすとともに、町民・島民の協力を得ながら地域が抱えるさまざまな課題を発見・分析・解決していく取り組みのことです。

プロジェクトの目的は、次の3つです。

1. 土庄町の各地区・各集落や小豆島・豊島一帯で培われてきた文化を継承・発展させ、地域を活性化していくこと。

2. 土庄町および小豆島の未来を担う島内・島外の若者(例えば小豆島中央高校の生徒や島外の大学で学ぶ大学生)に対して、「地球規模で考え、足元から行動せよ(Think Globally, Act Locally)」を実践できるような学びの場を提供していくこと。

3. 土庄町民や町外からの来訪者が、小豆島・豊島の歴史や文化に対する理解を深め、自らの視野を広げ、それぞれの人生を充実させられるような学びの場を創り出していくこと。

豊島からの風景
肥土山農村歌舞伎舞台
戸形こいのぼり

包括連携協定を締結している大学

土庄町は、域学連携活動を円滑かつ継続的に行っていくために、次の四つの大学と包括連携協定を結んでいます。

包括連携協定とは、土庄町と大学が継続的な連携・協力関係を築いていくために交わす取り決め事項のことです。 

  2015年11月5日~ 京都産業大学

  2017年12月12日~ 武庫川女子大学

  2018年10月17日~ 香川大学

  2020年10月29日~ 徳島文理大学

  2023年5月30日~ せとうち観光専門職短期大学

町と協定大学は、相互の人材交流や物的・知的資源の活用を積極的に行い、土庄町および小豆島全体の発展と未来を担う若い世代の育成を図ることを目的として、特に次の事項について連携・協力することを約束しています。

 (1)地域社会の活性化 (2)地域住民の健康・福祉の増進 (3)環境の保全

 (4)文化・教育の振興 (5)産業の振興、まちづくりの推進 (6)人材の育成

 (7)先に挙げた協定目的を達成するために町と大学が必要と認めた活動

土庄町の地域課題

土庄町が、10~30年後という中長期的なスパンで目指すべき町の将来像とその実現のための施策を示した「グランドデザイン」(2020年3月策定)によると、町には次のような複数の地域課題があります。土庄町域学連携交流事業は、これらを含むさまざまな課題を解決するための道筋を考え、地元企業や町民・島民のみなさんに解決策を提案します。

👆 課題1

人口減少や少子高齢化の進展によって、住民が安心して住み続けられる生活環境を維持するのが困難になってきています。住民が安心・安全に暮らし続けられる仕組みを整える必要があります。

👆 課題2

地域産業の雇用規模が相対的に小さく、学校の統廃合によって居住地付近に学校がないなどの理由により、若年層や子育て世代の転入者が町に定着しづらい場合があります。転入者が地域に定住できるようにサポートしていく必要があります。

👆 課題3

農漁業、食品製造業、卸売業・小売業、建設業、宿泊・飲食サービス業など、町経済の中核を担ってきた産業の成長力・雇用力を高め、地域住民・転入者が経済的な不安を抱えずに暮らせるような労働環境と整えていく必要があります。

👆  課題4

人口減少によって町の歳入が減少する一方で、高齢化の進展によって歳出が拡大しています。両者のギャップを埋め、財政の健全化を図る必要があります。

👆  課題5

町には、公共施設の統廃合によって遊休化した施設や土地が複数あります。それらの施設・土地を有効活用していく必要があります。

馬越の桜
すべり台
琴塚の港

土庄町の重点方針

土庄町は、先の5つの主要課題を解決していくために、次の4点を町施策の重点方針としています。土庄町域学連携事業は、こうした町の重点方針を深化・発展させられるような活動を行います。

町の重点方針1:町民生活を守る生活環境の形成

施策1: 町民生活を支えるシビックコアの形成

施策2: 地区の生活を支える小さな拠点の形成

人口減少・高齢化の進展という厳しい環境下においても、町民が安心して住み続けられ、質の高い暮らしを営めるようにするには、町民生活に必要な施設を厳選し、適正に配置していく必要があります。そこで、町全体にとって必要な官公庁施設や民間建築物を土庄地区と淵崎地区に集約してシビックコア(町民の仕事・生活・福祉・教育を支える中核拠点)を創り、同時に、各地区の住民生活に必要な基礎的な施設を地区ごとに配置して小さな拠点を整備していきます。シビックコアは、小さな拠点の運営を支え、各地区の小さな拠点をつなぐハブ機能も担います。

町の重点方針2:地域特性を活かした産業の振興

施策1: 観光関連産業の振興

施策2: 農漁業の振興

土庄町の経済成長を促し、町民の安定した雇用確保のために、地区それぞれの特性を生かした産業振興に取り組みます。

まず、町の主要産業である観光関連産業の振興を図るために、観光資源の開発や観光インフラの整備を行います。地区別には、土庄地区ではワーケーションや産学連携に対応できる滞在型交流拠点を整備し、北浦地区と大部地区では自然環境の豊かさを生かしたアウトドアレジャーなどの観光振興を行います。また、豊島地区では国内外の中高所得層をターゲットとした付加価値の高い観光サービスを提供します。

次に、各地区に根差した産業として農漁業の振興を行います。特に、オリーブ、いちご、みかん、海苔、小豆島オリーブ牛、小豆島島鱧をはじめとする特産品の収益向上に向けて、六次産業化の推進を支援します。地区別には、例えば四海地区では、豊かな地域資源を生かした農漁業そのものの振興だけでなく、アグリパーク化による観光農業の推進など、農漁業を通じた関係人口の創出も目指します。

豊島のいちご
肥土山のみかん
オリーブ牛

町の重点方針3:産業・生活面での積極的な新技術の導入

施策1: 新技術の導入による生活環境の維持

施策2: 新技術を活用した産業振興

施策3: 新技術を活用した公共サービス

土庄町で安全・安心で質の高い暮らしを実現し、地域産業の合理化・活性化を行うために、新技術(IoTやAIなど)の導入を積極的に推進します。生活面では、移動・買い物・コミュニケーション・ケアなどを支援する新技術の導入を行います。地域産業面では、労働人口が減少する中でも、生産・製造・販売・流通・経営面での生産性を向上させ、利用者の利便性を高め、収益を向上さえられるような新技術の導入を推進します。

町の重点方針4:未来を担う人材の活躍の場づくり

施策1: 魅力的な教育の実践

施策2: 人材の誘致、育成

施策3: 関係人口の創出

土庄町の未来を担う人材を育成・確保するために、国内外の多様な人が新たなチャレンジ(起業・産業振興・地域活動など)をできるような場づくりを目指します。例えば、町民や他地域の若者に対して魅力的な学校教育を実践し、国内外の意欲を持つ人を呼び込み、新たな産業の創出や地域活動に取り組めるような環境を提供します。

地区別構想のイメージ図(出典:グランドデザイン)

地区別構想

土庄町域学連携事業のこれまでの活動

島鱧と大学生

     四海漁協で島鱧とご対面

京都産業大学

🐟 島鱧プロジェクト(通称:ハモプロ)

現代社会学部塩谷ゼミの学生は、島の子どもたちに「島鱧(島の近海で漁獲され、畜養管理された高鮮度・高品質の鱧)」や魚全般の魅力を知ってもらおうと、四海漁業協同組合の協力を得て絵本「あずきくんとおさかな」を制作しました。2022年度(令和4年度)は、島の子どもたちを対象に、絵本「あずきくんとおさかな」の読み聞かせを行い、魚食促進に取り組みます。

🐟 無料法律相談室(法律相談部)

法律相談部に所属する学生が、教員の指導を受けながら、住民のみなさんのお話を伺い、法律面の説明を行います。相続問題・土地境界問題・賃貸借紛争・多重債務問題など、「弁護士に相談すべきなのか分からないな…」「身近な人に相談しづらいな…」と思っていることを、気軽にご相談いただけます。開催日時や会場は『広報とのしょう』でお知らせします。

FD演習後の記念撮影

      オンライン学生発表会

武庫川女子大学

🏠フィールド調査演習(生活環境学部)

2020年度(令和2年度)から、生活環境学部生活環境学科のフィールドデザイン特別演習という集中講義の履修生が、「土庄町・小豆島をよりよい地域にする方法」を考察しています。島で地場産業や観光業を支えている住民や、Webデザイナーなどの自営業者、島外からの定住者、小豆島中央高校生徒会、NPO法人トティエ、町役場職員へヒアリング調査を行い、履修生がそれぞれ地域の活性化法を提案しました。

ワーケーション実証実験

    ワーケーション実証実験の報告会

 

 

地域をデザインする

  吉田隊員によるオンライン授業の風景

香川大学

🌴ワーケーション実証実験(経済学部他)

2020年以降に起きた新型コロナウィルス感染症の世界的な感染拡大を受け、「ワーケーション」という観光とビジネスを結びつけた新しいスタイルが注目を浴びています。昨年度は、香川大学経済学部の原直行先生の研究室が取りまとめ役となり、観光の先進地である小豆島ならではのワーケーションの在り方を模索しようと、株式会社リコーおよびリコージャパン株式会社、島内事業者、香川県、NPO法人トティエ、小豆島町、土庄町が協力して、実証実験(リコーと島内事業者のビジネスマッチングやワーケーションについてのヒアリング調査)を実施しました。

🌴「地域をデザインする」(全学共通科目)

「地域をデザインする」という全学共通科目(学生と自治体が連携し、地域が有する課題を発見・探求し、解決策を考え、実践するプロジェクト型授業)の中で、土庄町も県内のフィールドワーク先の一つとして参加しています。昨年度は、土庄町地域おこし協力隊で動画クリエイター(youtuber)として活躍している吉田小百合さんが、土庄町をPRする動画作成についての授業を行いました。

石丁場の調査と大学生

        石丁場の調査

   写真提供:小豆島石丁場調査委員会

徳島文理大学

🏯 石の古文書・石丁場調査(文学部)

大坂城修築の際(1620~1629年)に、小豆島から切り出された花崗岩が使われていたのはご存知の方も多いでしょう。文学部文化財学科の教員・大学生のみなさんは、2013年度(平成25年度)から小豆島内で石の歴史と文化に関わる古文書の調査や、島内各地に残された石丁場の調査を行っています。調査結果を踏まえた上で、2015年度には「残された石の声-石がつなぐ小豆島と大坂城-」、2017年度には「石の旅路-小豆島から上方へ江戸へ-」、2019年度(令和元年度)には「小豆島 石の物語」という展覧会を開催しました。

ジョブインタビュー

   オンライン・ジョブインタビューの様子

 

 

成果発表会

    小豆島中央高校での成果発表会

小豆島中央高校

🌸 櫂風(かいふう)

2021年度(令和3年度)から小豆島中央高校は、高校生が在学中の3年間を通しておこなう探究活動「櫂風」を立ち上げました。櫂風の目的は、高校生が小豆島を教材として社会にある課題を探求し、自らの未来につなげていけるようになること。小豆島を舞台に、1年生で「社会を知って視野を広げ」、2年生で「自分の興味を探して考えを深め」、最終年である3年生で「学んだことを自分の未来につなげて自ら動けるようになる」ことを目標にしています。

土庄町は、隣の小豆島町と共に、地元の行政機関として「櫂風」にかかわっています。2021年度は、1年生が「土庄町役場・小豆島町役場の各課の魅力や課題を知る」ために行ったジョブ・インタビューに参加し、ポスター発表会で感想や意見を述べました。また、2年生が「小豆島の未来をよりよくするために課題を発見し、解決策の提案・発信をする」ことを目標に実施された成果発表会に参加し、各グループが発表した提案に対して、優れている点や、もっと考察を深めてほしい点などを中心に、コメントを行いました。

せとうち観光専門職短期大学

「土庄町および小豆島町とせとうち観光専門職短期大学との包括連携に関する協定締結式」が行われました。

 同大学は、観光分野に特化して学ぶことができる専門職短期大学として令和3年4月に開学し、これまでにも小豆島内の観光業者と連携した実務実習や教員による町民向け講座を実施してきました。

 今回の締結を機に、より両町との連携を深め、観光分野の人材育成や観光振興を目指します。

各大学等の活動実績や活動レポートをご覧いただけます↓

域学連携交流施設(夢すび館)のご紹介

この記事に関するお問い合わせ先

企画財政課

〒761-4192
香川県小豆郡土庄町淵崎甲1400番地2
電話番号:0879-62-7014 ファックス:0879-62-4000

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