○土庄町犯罪被害者等転居費用助成金交付要綱
令和7年3月21日
告示第15号
(趣旨)
第1条 この要綱は、土庄町犯罪被害者等支援条例(令和7年土庄町条例第4号。以下「条例」という。)第8条及び第10条の規定に基づき、犯罪被害者等の経済的負担の軽減及び居住の安定を図るため、予算の範囲内において、土庄町犯罪被害者等転居費用助成金(以下「助成金」という。)を交付することについて必要な事項を定めるものとする。
(1) 犯罪行為 条例第2条第1号に定める犯罪等のうち、刑法(明治40年法律第45号)その他の日本国内における刑罰法令に規定する行為(刑法第37条第1項本文、第39条第1項又は第41条の規定により罰せられない行為を含むものとし、同法第35条又は第36条第1項の規定により罰せられない行為及び過失による行為を除く。)をいう。
(2) 犯罪被害者 犯罪行為によってその生命、身体又は自由に害を被った者
(3) 遺族 次のいずれかに該当する者をいう。
ア 犯罪行為によって死亡した犯罪被害者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあったと町長が認める者又はパートナーシップ(土庄町パートナーシップの宣誓の取扱いに関する要綱(令和3年土庄町告示第28号。以下「パートナーシップ要綱」という。)第2条第2号に規定するパートナーシップをいう。以下同じ。)の関係にあり、パートナーシップ要綱第6条第1項の規定による証明書の交付を受けた者を含む。)で、犯罪被害者が被害を受けた時に、犯罪被害者と同居していたもの
イ 犯罪行為によって死亡した犯罪被害者の子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹(ファミリーシップ(パートナーシップにある者の一方又は双方の子、父母、3親等内の親族その他家族として協力している者であって、そのパートナーの双方及びそれらの者と継続的な共同生活を行っていると町長が認めるものをいう。以下同じ。)で)の関係にある者を含む。)で、犯罪被害者が被害を受けた時に、犯罪被害者と同居していたもの
ア 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(平成13年法律第31号)第1条第1項に規定する配偶者からの暴力を受けた者
イ ストーカー行為等の規制等に関する法律(平成12年法律第81号)第2条第4項に規定するストーカー行為に係る被害を受けた者
ウ 児童虐待の防止等に関する法律(平成12年法律第82号)第2条に規定する児童虐待を受けた者
エ 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(平成17年法律第124号)第2条第3項に規定する高齢者虐待を受けた者
オ 障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律(平成23年法律第79号)第2条第2項に規定する障害者虐待を受けた者
カ その他、本町の住民基本台帳に記録することで、自己の生命又は身体に危害を受けるおそれのある者
(交付の要件)
第3条 助成金は、次に掲げる全ての要件を満たすときに交付するものとする。
(1) 日本国内又は日本国外にある日本船舶若しくは日本航空機内において行われた犯罪行為であること。
(2) 犯罪被害者が被害を受けた犯罪行為が次のいずれかに該当すること。
ア 別表に掲げる罪に該当する犯罪行為
イ その他助成金の交付が被害の状況等によって特に必要があると町長が認める犯罪行為
(3) 原則として、警察に被害届等が提出されており、かつ、当該事実が警察等の関係機関への照会等により町長が確認できること。
(助成対象者)
第4条 助成金の交付の対象となる者(以下「助成対象者」という。)は、被害を受けた時において、町民である犯罪被害者又は遺族であって、次の各号のいずれかに該当するものとする。
(1) 従前の住居又はその付近において犯罪行為による被害を受けたために、当該住居に居住し続けることが困難となった者
(2) 二次被害又は再被害を受けた者又は受けるおそれのある者
(3) 犯罪行為による傷害や後遺障害、家族構成員の死亡等により、従前の住居における生活を維持することが困難になった者
2 同一の事案について、同居の親族に前項で定める助成対象者が複数あるときは、その1人に対してなされた交付は全員に対してなされたものとする。
(助成金の額等)
第5条 助成金の額は、転居に関する次に掲げる費用の実費合計額とし、かつ、同一の事案について1回の転居に限り、上限は20万円までとする。
(1) 運送に要した費用
(2) 荷造り等のサービス(運送事業者が行ったものに限る。)に要した費用
(3) その他町長が認める費用
(助成の制限)
第6条 町長は、次の各号のいずれかに該当する場合は、助成金を交付しないことができる。
(1) 犯罪被害者又は遺族が、他の公的な機関により転居費用の助成に係る支援を受けている場合
(2) 犯罪被害者又は遺族と加害者との間に親族関係(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者若しくはパートナーシップ又はファミリーシップの関係にあった者を含む。)があった場合。ただし、犯罪被害者が18歳未満の者を監護していた場合はこの限りでない。
(3) 犯罪被害者又は遺族が、犯罪行為を誘発した場合その他当該犯罪被害につき、犯罪被害者又は遺族にも、その責めに帰すべき行為があった場合
(4) その他助成金を交付することが社会通念上適切でないと認められる場合
2 町長は、犯罪被害者又は遺族が、次の各号のいずれかに該当することが判明したときは、町長が別に定める場合を除き、助成金を交付しないものとする。
(1) 暴力団(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第2号に規定する暴力団をいう。以下同じ。)
(2) 暴力団員(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員をいう。以下同じ。)
(3) 暴力団又は暴力団員と社会的に非難されるべき関係を有すると認められる者
ア 申請者が、犯罪被害者が犯罪被害を受けた時において、町民であったこと及び犯罪被害者と同居していたことを証明することができる書類
イ 犯罪被害者の死亡診断書その他当該犯罪被害者の死亡の事実及び死亡年月日を証明することができる書類の写し
ウ 申請者と犯罪被害者との続柄に関する市区町村長の発行する証明書
エ 転居に際して運送業者等が作成した見積書(その内訳書を含む。)及び領収書
オ 従前の住居及び転居後の住居それぞれの住所を確認することができる書類
カ その他町長が必要と認める書類
ア 申請者が、犯罪被害を受けた時において、町民であったことを証明することができる書類
イ 別表の16に該当する犯罪行為による被害を受けた者に当たっては、負傷又は疾病の状態及び療養に係る日数に関する医師の診断書その他の証明書
ウ 転居に際して運送業者等が作成した見積書(その内訳書を含む。)及び領収書
エ 従前の住居及び転居後の住居それぞれの住所を確認することができる書類
オ その他町長が必要と認める書類
2 助成対象者がやむを得ない事情により当該助成金の申請をすることができない場合は、次の各号のいずれかに該当する者が助成対象者に代わって申請することができる。
(1) 法定代理人
(2) 助成対象者と同居の親族
(3) 助成対象者の身の回りの世話をしている者等で町長が特に認めるもの
(申請の期限)
第8条 前条の規定による申請は、当該犯罪被害を知った日から1年を経過したときは、することができない。ただし、申請期限までに申請しなかったことについて、やむを得ない理由があると町長が認めたときは、この限りでない。
(交付決定の取消し)
第10条 町長は、助成金の交付決定を受けた者が当該交付を受ける資格がないと判明したとき、又は偽りその他不正の手段により当該決定を受けたと認めるときは、当該決定を取り消すことができる。
(助成金の返還)
第11条 前条の規定により助成金の交付決定を取り消した場合において、既に助成金が交付されているときは、町長は、当該助成金を返還させるものとする。
(その他)
第12条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は、町長が定める。
附則
この要綱は、令和7年4月1日から施行し、同日以降に発生した犯罪被害について適用する。
別表(第3条関係)
対象となる罪 | |
1 | 殺人罪(刑法第199条の罪であり、未遂を含む) |
2 | 強盗致死傷罪(刑法第240条の罪であり未遂を含む) |
3 | 強盗・不同意性交等罪及び強盗・不同意性交等致死罪(刑法第241条の罪であり、同条第3項の未遂を含む) |
4 | 不同意性交等罪(刑法第177条の罪) |
5 | 不同意わいせつ罪(刑法第176条の罪) |
6 | 監護者わいせつ罪・監護者性交等罪(刑法第179条の罪) |
7 | 不同意わいせつ等致死傷罪(刑法第181条の罪) |
8 | 未成年者略取及び誘拐罪(刑法第224条の罪) |
9 | 営利目的等略取及び誘拐罪(刑法第225条の罪) |
10 | 身の代金目的略取及び誘拐罪(刑法第225条の2の罪) |
11 | 所在国外移送目的略取及び誘拐罪(刑法第226条の罪) |
12 | 人身売買罪(刑法第226条の2の罪) |
13 | 逮捕及び監禁罪(刑法第220条の罪) |
14 | 逮捕等致死傷罪(刑法第221条の罪) |
15 | 傷害致死罪(刑法第205条の罪) |
16 | 傷害罪(刑法第204条の罪)のうち、犯罪被害者が全治1か月以上の傷害を負ったもの |